2015年3月30日月曜日

近親婚問題

メダカの改良において、近親婚問題は避けて通れない。

兄妹どうしの交配はもちろん、戻し交配なども行う。
優勢遺伝子ではなく劣勢遺伝子の表出を狙うわけだから。

人類の歴史をみても、各国の王室などは近親婚を重ねて、奇形やら、精神異常な子孫を形成してしまったとされている。
近親相姦の多い地域でもそういう事が確認されている。
そして、異常に、均質化された特質を持つ事になる。いい場合、悪い場合がある。

メダカの固定化というのはつまりそういう事だろう。
メダカにかぎらず、観賞用生物はそういった宿命にあるのか。作物でもそうだとおもう。

トルコ周辺だったかの、なんとかという国は美男美女そろいらしい。
歴史的にシルクロードの交差点のような国で、いろんなDNAが混じり合う。
そこで、優勢遺伝子が開花したのだろう。

昔話などで、旅人がとある閉鎖的な村にたどり着いたら、村長が自分の娘をさしだして、子種をもらったりという話がある。
冒険ファンタジー映画でも、旅人とその国の王女が恋におちて、という展開は多い。
これは、近親婚による弊害を少しでも緩和しようという長年の知恵なんだろうと思う。

男系にしろ、女系にしろ、かならず、婚姻相手はできるだけ遠くの所からもらってくる、というルール。
同姓の人との結婚の禁止を法制化していた国もあるらしいし、王族において、同姓ばかりと結婚してしまった、という不幸なケースがあるという。

小学校の同級生と結婚しました、というよりは、東京に出て行って、東京で嫁さんを見つけて村に帰ってきた、というほうが、遺伝学的には正しい、という事になる。
若い者には旅をさせよ、というのは、理にかなった教えかもしれない。

日本人も小さな島国で繁殖してきたわけだから、外人からみれば、共通の特徴があるが、けっこうなバリエーションがあるように思う。
近親婚をタブーとする文化がきっちりと機能していたので、優勢遺伝子が阻害されなかった、という事だろう。

今、私が飼育しているメダカは、3つのルートから仕入れた種親がベースだ。
そこに、メダカ仲間から分けてもらった子達が加わる。
日本メダカなんだから、血が近いのは当然だが、できるだけ遠い所から新しい血を入れるほうがいいのだろう。

累代はF3くらいまで、というのは遺伝的な問題を考慮しての改良の知恵なんだろうと思う。

苦労して固定化に成功したオリジナルなメダカができたとする。
そこから、累代していくにあたり、兄妹同士の婚姻が続く事になるのだが、どのようになるのだろうか。楊貴妃なんかは純血種として続いているのだろうが、弊害はないのだろうか。などなど、わからない事が多い。


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